クサビ式の足場で計画図を作りたい リース材の数量拾いにも使えないか
こんな相談を受けて、昔に単線で図形登録しグリットに落とすように作図していたjw_toolを進化させる程度で作図の改善提案したものです。「手順説明も書いてください」とのことでしたので、私版のTOOLとしてこのページにUPしました。大雑把なものですがご覧ください。
>目次
- 平面計画図作成
- 構造物図面の要素確認を確認する
- 建地位置の割付
- ブロック図形・開口位置他の作図
- 寸法線作図
- 断面図、立面図作成
- 平面図からの位置落とし
- 建地ジョイント位置(レベル)決め
- 最上部床板高さ決め
- ブロック図形他作図
- 寸法線作図
- 昇降・付帯設備等作図
- ブロック図形作成の手順とメリット
1.平面計画図作成 のための手順
構造物図面の要素を確認する
- 方位、敷地境界、階高、最高部高さ等を設計図より読取する。
- トレース下書き用に設計cad図、pdfデータ等をJWWの図形グループに縮尺を合わせて描画準備する。
- 画像や変換dxfデーターは縮尺が完全に合わないため配置・スケールなどの参考に用いる
PDF図面をDXFに変換する場合はPDF2DXFやPDF2JWW、Adobe Illustrator等の外部ソフトを使う。また、JPEG画像として挿入するにはSusie Plug-inを組み込んでおく。
(今回のファイルには入れていません)
建地位置の割付
仮線にて建地位置の割付計画をする 確定線はシュミレート後に描画
- 内側建地の仮位置線(離れ線)を初期値350㎜(外壁面→支柱芯)で描画
- 足場幅線(例:初期値600㎜)を描画
- 基本サイズ@600 900 1200 1500 1800で割付調整
- 構造物の両側の離れをほぼ同じにするための全体移動が必要か?を判断し描画
ブロック図形・開口位置他の作図
<拾い出しが必要な場合>
部材をブロック化し仮線の割付をガイドに複写、コピペし描画
・ブロック化図形を文字集計コマンドで部材集計する(作図完了後)
・部材は予め、作成し図形登録などで準備しておく(例:今回UPのデーターではAグループレイヤ)
・見え隠れ部材にもブロック化図形を配置し集計する(拾い出し時に作図補填)
<拾い出しが不要な場合>
枠線の線種を実線に変えるか、別レイヤに確定線を描画すれば時短となる
寸法線作図
必要な寸法線は、割付計画・全体規模が解るもので 作図ポイントは
- 躯体通り芯(又は壁面)⇔建地芯(支柱)寸法
- 建地幅寸法
- 躯体通り芯(又は壁面)⇔足場端部寸法
- 割付寸法線(全長寸法共)
2.立面図・断面図作成 のための手順
平面図からの位置引き落とし
壁長、位置の作図ミス回避のため、通り芯・建地芯を平面図で脇書きし複写・コピペで立面図ブループレイやの書込みレイヤに作図する。
元平面図を複製し回転移動して位置を下部に引き落とすことが大事。作図ミスの修正は、倍以上の時間がかかるため。
建地ジョイント位置(レベル)決め
仮線で割付検討し描画する 作図ポイントは
- クサビ式建地のジョイント位置はイモ継ぎが基本。
- すべてのジョイントレベルを同じく設定し計画する。
- ジャッキの基本長を100㎜で計画、200㎜以下になるよう検討する。
- 敷地の高低差をもとに最下建地の定尺寸法を定める。
構造物最上部への渡り高さを検討する。渡り床板の高さを設定し、最下建地を決めて、布床板1段目の高さを決める。
最上部床板高さ決め
足場の手摺高さが構造物の最高高さより900㎜以上となるように最下部建地長、ジャッキ高さを調整する。風圧検討で足場つなぎ・シート高さを確認する。
最上部への渡りは昇降用の足場高さを部分的に高くするなどの検討をする。
ブロック図形他作図
建地・陸地などのブロック図形を配置描画 。(例:今回UPのデーターでは立面図用はBグループレイヤ、詳細図用はDグループレイヤに収容)
平面図作成と同じ要領で、別起動の窓枠又は枠外に図形を仮表記して複写・コピペすることで高速作図できる。
今回のUPデーターは信和キャッチャー様が公表しているデーターを一部カスタマイズして作成したものです。
寸法線作図
必要な寸法線は、割付計画・全体規模が解るもので(平面図と同様) 作図ポイントは
- 躯体通り芯(又は壁面)⇔建地芯(支柱)寸法
- 建地幅寸法
- 躯体通り芯(又は壁面)⇔足場端部寸法
- 割付寸法線(全長寸法共)
- 手摺高さ
昇降・付帯設備等作図
幅木、メッシュシート、落下防止ネット、壁繋ぎなどの描画
3.ブロック図形作成の手順とメリット
クサビ・枠式にかかわらずブロック図形を作ることで作図を高速化。作図環境を事前に作り、単一作業での繰り返しや修正を容易にできるようにする。文字集計機能(ブロックを有効化して)を使えば数量も確認できる。
- 部材を特定するため、編集を容易にするために線色・レイヤ分けを利用する
- 線色、線種別選択やレイヤ別選択で作業を簡易化する
- レイヤ別に線色線種を設定し選択とともに遷移する環境設定を作る
- 既存描画線の属性取得でレイヤ移動する機能を使う
- グループレイヤ別に図面のプロジェクトを描き分ける(例:○○図、△△詳細図、引用図用Gレイヤ等)
- ブロック化する段階で基準点を指定設置するとコピペの貼付けコマンドで基準点で位置決め出来る
- 元データのレイヤを優先するに☑チェックする
ブロック図形化すると
- 組み立て(部材配置)位置を特定できる
- 文字集計でブロック図形の数量を計測できる
- 見え隠れ部材への図形を可視化できない方法で配置表記する
- ブロック内部材の修正が容易
- 作図志向性が単純になり、伝える要旨を簡潔に表現できる
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