
「施工図をクリックしてコンクリート数量を拾い、チェック出来るようにしたい」との相談があり、コンクリート躯体図作成のための外部変形と連携して拾い出せる外変を作ったのでご紹介します。_愛宕さんのご厚意で公表
外変で躯体図を作図してConボリューム、型枠面積を拾う
実現にあたり考えたこと
idea1.設計情報を躯体図作成時に仮文字で表示しておく
idea2.作図で得られる長さ等を仮文字で表示しておく
idea3.外部変形で数式計算出来れば不定算式でも数値を表示しておける
idea4.マウスで定型計算の計算要素を選択すれば入力が速く、トレサビリティの可視化が上がる
idea5.図面に拾い場所、算式を描画することでトレースしやすい
idea6.計算の値と計算式を分けてレイヤ保存すれば積算根拠の提示が出来る
idea7.テキストファイルに拾い出し細項目リストを書出し集計すれば計算根拠として提示できる
idea8.現場部分打設等打継位置を定めて拾い出しできる
idea9.現場での簡易拾い出し法での計算にも、糸長等の四則計算で対応できる
—で、つくってみた。
フォルダーの配置
sekisan.zipを解凍し、c:\jww\jw_tool\Rc_kutaiの中にフォルダsekisanを入れる。実行するbatファイルはhiroibat.batです。パスは c:\jww\jw_tool\Rc_kutai\sekisan\hiroibat.batとなります。c:\jwwにパスが通っていて、gawk.exeが入っていることが前提です。
パスの通し方、gawkの仕込み方はこちらのpage→ 外部変形導入
「RC躯体図を外部変形で描く」の記事はこちらのpage→ kutaizug
始終点を指示し2点間の距離を計測描画する

hiroi.batのmenuで|長さ算|を選択し実行する。「長さ算」は拾い出しの前の長さ(距離)を計測し、図面に表記する外変です。 結果表示の文字サイズは微小文字(0.3 0.3 0.01)で補助線色となる。表示形式は記号+計算結果値をmks単位、小数点以下2位で表記する。記号は任意で拾いの識別用として利用する。ほぼ、長さの中央部に表示します。文字方向は終点位置方向に向かいます。
糸長などの四則計算を外部変形の文字入力で計算描画する

hiroi.batのmenuで|糸式算|を選択し実行する。
「糸式算」は拾い出しの前の糸長(距離)を計測し、計算式付きで図面に表記する外変です。
入力窓に四則計算式を入力して、記号と値、計算式を並べて指定位置に描画します。 例:記号をito、式を5+4*(3/2-1)と入力すれば ito7.00=5+4*(3/2-1)を描画する
文字方向は水平か垂直方向化を文字方向を指示することで自動判別します。おおよその水平・垂直方向を指示(Lcl)で可。
コンクリートのボリューム(体積)計算をマウスクリックで拾う

hiroi.batのmenuで|Con算|を選択し実行する。 別外部変形で躯体図作成時に同時に表示される部位のデータ等(仮文字列)をマウス選択し計算します。
部位データは、柱では部材左下に柱幅・柱奥行・階高が表示されています。(例:C1 0.62 x 0.82 flr_hgt=3.50) これをbatファイルの誘導で幅・奥行・階高とマウスクリックします。数値文字をクリックするとjwwの選択色に変化します。積数は必要な数値を入力します。結果表示は記号+計算値と計算式が並んで描画されます。例:Cv[1] 1.78 =0.62*0.82*3.50*1
また、別のテキストファイルに拾い上げたデータを集計と共にリスト表示します。ファイルはbatファイルが置いてあるフォルダーに出力する。
型枠の面積数量をマウスクリックで拾う


型枠計算の要素の糸長(梁側枠長等)をあらかじめ四則計算して表示させておいて枠計算をする。
枠計算は、hiroi.batのmenuで|枠算|を選択し実行する。
計算後の書込み位置を指示して、糸長・長さ・積数・型枠種を指示・入力すれば描画される。
接続部・開口部等の控除拾いは”-”を入力して拾う。
拾い位置とリスト

Con・型枠共にテキストファイルで拾い出しリストがbatファイルと同じフォルダーに作成される。 別の図面で拾い出し作業をしても同じファイルに加筆保存されるので扱いには注意が必要です。
batファイルのメニューには、|C_list消去|と|Fa_list消去|が付いています。
これはConリスト・枠リストのテキストファイルを初期化する(内部データを削除)ものです。
指示・入力による計算間違いでファイルの中の一部データを修正する場合は、各ファイルをエディター等で手動で修正願います。 記述されている集計値は各拾い計算直前に一旦削除し、計算終了・書込み完了後に最新の集計を計算し記述表示されます。型枠は普通・打放を別々に集計します。同梱のTEST3.jwwを参考にしてください。
レイヤ・線色・線種・文字のカスタマイズ

設定を変更してカスタマイズする場合は直接AWKファイルをエディターなどで編集してください。 スクリプトを理解しやすくするために、解説コメントを多く入れてあります。
ファイルを設置するディレクトリーの変更も、batとawkファイルを修正してお試しください。 ご使用して、お気づきがある場合はご連絡ください。修正したいと考えています。